退職の兆候は、突然現れるわけではありません。残業、勤務条件、上司との関係など、日々の違和感が重なり、「この状態が続くなら辞めるかもしれない」という段階まで進んでいることがあります。今回は、入社から間もない従業員から勤務条件と人間関係について相談が寄せられ、本社での人事面談や配置転換の検討につながった事例をご紹介します。

こんなこと、ありませんか?

  • 残業や勤務条件への不満があっても、本人が上司には言いにくい
  • 上司へ相談した結果、かえって関係が悪化することがある
  • 退職意向が明確になってから、人事が初めて事情を知る

実際に寄せられた声:「今の店舗で働き続けるなら、退職も考える」

相談者は店舗での試用期間中の従業員で、家族との時間確保を重視し、人事サポートや本社勤務にも関心を持っていました。勤務条件について、面接時には残業は時々と説明されていた一方、実際には毎日残業があり、説明と実態の違いについて相談しています。

さらに、相談内容が上司へそのまま伝わったことで関係が悪化し、本人からは「このまま今の店舗で働く場合は退職を選ぶかもしれない」という明確な意思が示されました。

相談内容の秘匿性を守り、本社で対応を検討

この事例では、相談内容の秘匿性を最優先し、本社等のプライベートな空間で面談すること、異動については会社判断として伝達することに留意して対応が行われました。

  • 本社での人事面談設定
  • 育休サポート・復帰促進の選択肢提示
  • 異動・配置転換の検討
  • 給与を維持しながらワークライフバランスを確保する方向性

離職防止では、「退職届が出る前」の段階を把握できるかが重要

このケースでは、本人の退職可能性が言葉として表れていました。しかし、その背景には勤務条件の乖離や上司との関係悪化など、複数の要因があります。人事が退職申告の段階で初めて知るのでは、対応できる選択肢が限られます。従業員が日頃から相談できる経路を持ち、退職兆候や働き方への不安を早めに把握することで、面談、配置転換、勤務条件の調整など、本人と会社の双方にとって選択肢を残しやすくなります。