新入社員が辞める理由は、給与や仕事内容のように分かりやすい不満だけとは限りません。「自分だけ勤務の仕方が違う」「業務を覚えられるか不安」「周囲とうまくやれるだろうか」といった、本人にとっては大きくても周囲から見えにくい不安が積み重なることがあります。今回は、入社後間もない従業員から実際に寄せられた相談と、企業側が検討した対応をご紹介します。

こんなこと、ありませんか?

  • 新人本人は「大丈夫です」と答えているが、実際の不安までは分からない
  • 勤務シフトや教育の進み方が他の社員と違っていても、人事まで情報が上がってこない
  • 現場の上司は忙しく、新人一人ひとりの小さな変化を継続的に追いにくい

入社直後の不安は、本人から強く申し出がないまま見過ごされることがあります。だからこそ、「辞めたい」と言われる前の段階で、何に困っているのかを把握できる状態が重要です。

実際に寄せられた声:「自分だけ勤務の仕方が違うのが不安」

新入社員から、勤務体制、業務習得、職場の人間関係について相談が寄せられました。勤務は介護主任が作成するシフトで、月によって異なる3か所を担当。大浴場での勤務では7時間勤務が体力的な負担になっていました。

業務面では、各フロアで異なる業務内容を習得する必要があり、利用者ごとの個別対応にも不安を感じていました。また、大浴場でのスタッフ間の関係にも課題を感じ、精神的な疲労も訴えていました。

会社側で検討した対応

  • 本人の適性を考慮した配置
  • 業務習得ペースの個別調整
  • 継続的なサポート体制
  • 新人教育プログラムの見直し
  • 勤務体制の最適化
  • 職場環境の改善

この事例では、相談者の初期不安が解消され、定着につなげることができました。

「本人が言うまで待つ」では、見えない不安がある

この相談で重要なのは、ひとつの大きなトラブルではなく、勤務体制・業務習得・人間関係という複数の小さな不安が重なっていたことです。通常の面談で「困っていることはありますか?」と聞くだけでは、本人がどこまで話せるかは分かりません。新入社員フォローでは、全員に同じ施策を行うだけでなく、誰が、何について不安を感じているのかを把握し、必要な人へ早めにフォローすることが早期離職防止につながります。